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ぼくらの裏山プロジェクト (学校林の活用)

キーワード:学校林 環境教育 自然体験 里山

長野市の郊外、南西部に位置する松ヶ丘小学校の裏山が、2000年3月に山火事の類焼を受け、学校名にも使われた松の木が焼け、見るも無残な姿になってしまいました。
これを見た子ども達から、山がかわいそう、泣いているみたい、自分達で元の緑を取り戻したいという声が上がりました。また、学校のすぐ裏手は、広葉樹とスギの人工林になっていますが、手入れを全くしてないため、竹やぶやツルに覆われて暗く、人が入れない山になっていました。
山火事をきっかけに、子ども達が裏山に目を向けたのです。

そこで、山の手入れの指導をして欲しいという依頼が、信州フォレストワークにあり、現地を視察して引き受けることにしました。
この裏山は、民有林であることから、学校側で地主さんの了解を得ることと、砂防林に指定されていたため、信州フォレストワークが建設事務所に許可を得てからのスタートとなりました。

子ども達が「ぼくらの裏山プロジェクト」と名付け、毎月1回、土曜日か日曜日に行い、子ども達ばかりでなく、先生、家族、地域の住民も一緒に参加して、自分達の手で裏山に緑を取り戻し、遊び・学べる空間にする目的で活動しています。
子ども達もヘルメットをかぶり、道具の安全な使い方を教わりながら、やぶ刈り・ツル切りから始め、除間伐も手ノコを使って行いました。
また、切った木を利用して登山道の整備も行い、裏山は人が入りやすい山になりました。そして途中に休憩できるベンチが欲しい!というアイディアで、間伐したスギをみんなで皮むきし、半割りにしてベンチも作りました。

他には、ナラを切ってキノコの植菌をしたり、チップを削ってゆで卵やチーズの燻製を作って味わいました。夏休みには、たき木を集めて焼そば大会、冬は木の実やツルでリースを作ったりして、季節毎に楽しみを交えて活動しています。
信州フォレストワークは、子ども達の自発的な意見や要望を取り入れながら、毎回活動計画を作成し、5名から6名で構成された各班の指導・応援に当たっています。

裏山プロジェクトがスタートして5年が経ちました。裏山は見違えるほど明るくなり、「ぼくらの裏山」として休日にも遊びの場として利用されるようになったばかりか、上級生がリーダーシップをとり、低学年に教えたり、教室では協調できなかった子が、プロジェクトでは大活躍するなど、教育面でも良い効果が現れています。
子ども達が大人になる頃、緑に覆われた美しい裏山を見て、自分達で汗を流して手入れをしたことを、きっと誇りに思ってくれることでしょう。

本活動は、2003年5月に(財)日本木材情報総合センターにより「森はともだち」と題してビデオ化され、学校林のモデルケースとして全国に紹介されています。